函館は東西に細長い街です。東の端に空港と湯の川温泉、真ん中に五稜郭、西の端に元町・ベイエリア・函館山。東から西へ一日かけて流して、夜景で西の端に立つ——これが1日目。2日目は朝市から北の大沼へ抜けて、そのまま東へ戻って空港。同じ道をほとんど二度走らない組み方です。ラッキーピエロはあえて2回入れます(理由は本文で)。
函館の骨格は「港」です。1854年の日米和親条約で下田とともに日本で最初に開かれた港のひとつが箱館で、外国船が来るようになったからそれを守る城(五稜郭)が要り、外国人が住んだから元町に教会と洋館が建った。五稜郭も元町も、同じ「開港」から派生した双子です。1日目にこの2つを続けて見るのは、そういう理由でもあります。
| 時刻 | 行き先 | メモ |
|---|---|---|
| 10:30 | 函館空港着・レンタカー | 受付〜出発で30〜40分。空港から市内はどこも近い |
| 11:20 | ラッキーピエロ(1軒目) | 五稜郭・湯の川エリアの店へ。11時台に入るのが唯一の混雑対策。まずはチャイニーズチキンバーガー |
| 12:30 | 五稜郭タワー(大人1,200円) | 展望台は高さ86m/90mの2層。先に上から星形を見る。40分 |
| 13:20 | 箱館奉行所(500円) | 2010年の復元。復元されたのは庁舎全体の3分の1。40分 |
| 14:10 | 郭内・堀のまわりを歩く | 堀の外周約1.8km。桜の時期でなくても、土塁に上がると稜堡の角が体で分かります |
| 15:30 | 元町へ(車20分) | 五稜郭から西へ。街が一気に古くなります |
| 16:00 | 旧函館区公会堂(300円) | 11〜3月は17時閉館。冬はここを最優先に。1910年築・国の重要文化財 |
| 16:45 | 八幡坂・元町の教会群 | ハリストス正教会、カトリック元町教会、聖ヨハネ教会が坂ひとつぶんの中に密集 |
| 17:45 | 金森赤レンガ倉庫・ベイエリア | 買い物と土産。ここで車を停めて、夜まで歩いて過ごすのが楽 |
| 日没後 | 函館山(ロープウェイ 往復1,800円) | 山麓駅まで車5分。夜景の時間帯はマイカーで上がれません。所要は往復+滞在で1時間半 |
| 20:00 | 夕食 | ベイエリアの海鮮、またはハセガワストアのやきとり弁当。「やきとり」ですが豚です |
| 21:00 | 宿へ(駅前・ベイエリア) | 翌朝の朝市が徒歩圏。温泉なら湯の川へ(車20分) |
1857年に着工、1866年に全工事が完了した日本有数の稜堡式城郭です。設計は武田斐三郎。フランス軍艦の副艦長から稜堡の図面を学び、その絵図面をもとに五稜郭と弁天台場を設計しました。郭内は約12万㎡、堀の外周は約1.8km。1952年に特別史跡に指定されています。
五稜郭タワーは2代目です。初代は1964年開業でしたが低く、展望台から三稜しか見えないという不満がありました。現在のタワーは2006年4月開業で、避雷針高107m・展望台は86mと90mの2層。星形の全景が入るように、わざと高くしたタワーです。塔体の断面は星形、展望台は五角形。展望料金は大人1,200円・中高生900円・小学生600円(2025年4月改定)、営業は9:00〜18:00。
1987年6月創業。函館を中心とした道南だけに17店舗を展開し、函館市外にも北斗市・七飯町・森町・厚沢部町に店があります。2013年度の職業別電話帳掲載の店舗数では、この地域でマクドナルド・モスバーガーなど国内大手4社の合計を上回っていました。看板はチャイニーズチキンバーガー——甘辛いタレを絡めた鶏から揚げ3個を、レタスとマヨネーズと一緒にパンで挟んだものです。
| 時刻 | 行き先 | メモ |
|---|---|---|
| 06:30 | 函館朝市 | 5〜12月は5:00開始、1〜4月は6:00開始、いずれも14時過ぎまで。朝食は海鮮丼 |
| 08:00 | 立待岬 or 朝の八幡坂 | どちらも無料・30分。朝の元町は人がいなくて写真がまるで違います |
| 08:45 | 大沼へ(車 約50分) | 国道5号 or 道央道。七飯大沼ICが最寄り |
| 09:40 | 大沼国定公園 | 入園無料。島巡りの遊歩道(徒歩50分前後)かレンタサイクルで湖畔一周。遊覧船・手漕ぎボートは有料 |
| 11:40 | ラッキーピエロ 峠下総本店(2軒目) | 七飯町、大沼から函館へ戻る途中。ここではバーガー以外(カレー/オムライス)を頼む |
| 13:00 | 函館市街へ戻る(約40分) | そのまま東へ抜けて湯の川方面へ |
| 13:45 | トラピスチヌ修道院(無料) | 1898年創立・日本初の女子観想修道院。見学は前庭と資料室のみ。30分 |
| 14:30 | 湯の川で足湯/土産 | 市電の電停そばに無料の足湯。土産の買い足しはここか空港で |
| 15:30 | レンタカー返却 → 函館空港 | 返却は出発の1時間半前を目安に。給油も忘れずに |
函館駅のすぐ横。営業は5〜12月が5:00〜14時過ぎ、1〜4月が6:00〜14時過ぎで、年中無休(店ごとに異なります)。海鮮丼の店が集まるどんぶり横丁市場が入口的な存在で、いか釣り体験もここ。
七飯町。活火山・駒ヶ岳の噴火によって大沼・小沼・じゅんさい沼ができ、1958年に道南で唯一の国定公園に指定されました。湖には大小126の島が浮かび、そのいくつかが橋で結ばれて網の目のような遊歩道になっています。入園は無料、JR大沼公園駅から徒歩5分。
函館山の北斜面に、ハリストス正教会・カトリック元町教会・聖ヨハネ教会が坂ひとつぶんの距離に固まっています。ロシア正教・カトリック・聖公会が同じ斜面に並ぶのは、開港地に各国が入った結果です。旧函館区公会堂は1910年開堂の洋館で国の重要文化財、観覧料300円、4〜10月は9:00〜19:00/11〜3月は9:00〜17:00。
標高334m。ロープウェイは大人往復1,800円・片道1,200円、所要3分。登山バスは大人片道700円・約30分ですが、冬期の登山道閉鎖期間(11月第2月曜〜翌年4月第2月曜)は運休します。
ハセガワストアのやきとり弁当は1978年8月13日生まれ。深夜に酔客から「お弁当ないの?」と聞かれた当時の社長が、店にあったごはん・のり・やきとりを組み合わせてとっさに作ったのが始まりとされています。注文を受けてから焼くので、出てくるまで少し待ちます。
下田とともに開かれた。この街のほとんどすべては、この一行から始まります。外国船が来る → 守る城が要る → 五稜郭。外国人が住む → 教会が建つ → 元町
1857年7月着工、1866年に全工事完了。設計は武田斐三郎で、フランス軍艦の副艦長から学んだ稜堡の図面をもとにしている。郭内約12万㎡、堀の外周約1.8km
1868年に旧幕府軍が五稜郭を占領して本拠地とし、翌年の新政府軍の総攻撃を受ける。1869年5月18日に榎本武揚らが降伏し、五稜郭では戦闘が行われないまま新政府軍に引き渡された。これで戊辰戦争が終わる
開拓使の札幌移転にともない取り壊された。いま建っているものは当時の建物ではありません
日本初の女子観想修道院。現在の聖堂は1927年の再建で、ゴシックとロマネスクが混ざった煉瓦造り
9月20日開堂式。1974年に国の重要文化財に指定。元町の斜面に建つ、開港地の記憶そのものの建物
函館毎日新聞が1913年から10年かけて植樹。現在も約1,600本が残り、北海道内有数の花見の名所になった
2004年には北海道遺産にも選定
駒ヶ岳の噴火でできた大沼・小沼・じゅんさい沼一帯。道南で唯一の国定公園
12月1日開業。ただし低く、展望台からは三稜しか見えなかった
深夜の一言から生まれた。道南の「やきとり」は豚
以後、道南から一歩も出ずに17店舗。この地域では大手チェーン4社の合計店舗数を上回った
避雷針高107m、展望台86m・90mの2層。星形の全景が入るように高くしたタワーで、塔体断面は星形、展望台は五角形
解体から139年ぶり。復元されたのは庁舎全体の3分の1。復元そのものを見せる展示がある
本州から鉄道で直通するようになった。ラッキーピエロが「函館の顔」として全国に出たのもこの前後
| 項目 | 大人料金 | 所要の目安 | 時間の制約 |
|---|---|---|---|
| 五稜郭タワー | 1,200円 | 40分 | 9:00〜18:00・年中無休 |
| 箱館奉行所 | 500円 | 40分 | 9:00〜18:00(11〜3月は17:00)/年末年始休 |
| 五稜郭公園(郭内) | 無料 | 1時間 | 5:00〜19:00(11〜3月は18:00) |
| 旧函館区公会堂 | 300円 | 40分 | 11〜3月は17時閉館(4〜10月は19時) |
| 函館山ロープウェイ | 往復1,800円 (1,500円表記も残る) | 1時間半 | 秋に点検運休あり/夜景時間帯はマイカー規制 |
| 函館山 登山バス | 片道700円 | 約30分 | 11月第2月曜〜4月第2月曜は運休 |
| トラピスチヌ修道院 | 無料 | 30分 | 8:30〜16:30/5〜9月は17:00/12〜2月は9:00〜16:00 |
| 大沼国定公園 | 入園無料 | 1.5〜2時間 | 遊覧船・ボート・レンタサイクルは有料 |
| ラッキーピエロ(2回) | 1回 1,000円前後 | 各40分 | 12〜13時は行列。11時台か14時以降に |
| レンタカー(1泊2日) | 1万円前後+燃料 | — | 走行は2日で120〜150kmほど |
| 入場・レンタカーの合計(目安) | 1.6万〜2万円/2人(食事・宿泊を除く) | ||
距離の感覚をつかんでおくと組み替えが楽になります。函館空港→五稜郭 約20分/五稜郭→元町・ベイエリア 約20分/ベイエリア→ロープウェイ山麓駅 約5分/函館駅→大沼 約50分/大沼→峠下(七飯町)約20分/七飯→湯の川 約40分/湯の川→函館空港 約5分。大沼への往復以外は、どの区間も20分前後——これが函館の強さです。ただし市街地は道が細く一方通行が多いので、元町は車を停めて歩くのが前提になります。
| よく聞く話 | 判定 | 実際は |
|---|---|---|
| 五稜郭で最後の激しい攻城戦があった | ✕ 誤り | 艦砲射撃は受けましたが、1869年5月18日に榎本らが降伏し、五稜郭では戦闘が行われないまま新政府軍に引き渡されています |
| 箱館奉行所は当時の建物が残っている | ✕ 誤り | 1871年に解体済み。現在のものは2010年7月公開の復元で、庁舎全体の3分の1にあたります |
| 五稜郭タワーは昔からあの高さ | ✕ 誤り | 初代(1964年)は低く三稜しか見えませんでした。2006年の二代目で107mになり、星形の全景が入るようになった |
| 星形は見た目のデザイン | ✕ 誤り | 射線の設計です。稜堡を突き出すことで、四角い城にできる壁ぎわの死角を隣の稜堡から撃てるようにしている |
| 日本の星形要塞は五稜郭だけ | ✕ 誤り | 長野県佐久市の龍岡城も五稜郭と呼ばれる稜堡式城郭です。ただし規模と完成度では函館が突出 |
| 函館の「やきとり」は鶏 | ✕ 誤り | 道南のやきとりは豚。鶏が食べたいときは「やきとり、鶏肉で」と指定するのが地元の作法 |
| ラッキーピエロは全国チェーン | ✕ 誤り | 道南だけで17店舗。全国展開を方針としてしていません。「成長は善という神話は捨てるべきだ」というのが経営の言い分 |
| ラッキーピエロはファストフード | △ 本人は否定 | 注文を受けてから調理するため、同社はファストフードではないと謳っています。食材原価率は50%超 |
| どの店に行っても同じ味・同じ店内 | ✕ 誤り | 店ごとに内装のテーマが違い、メニューも店で変わります。2店行く価値があるのはこのため |
| レンタカーなら夜景も車で行ける | ✕ ほぼ不可 | 夜景の時間帯は登山道路が規制され、山頂駐車場も使えません。冬期は終日通行止。ロープウェイが原則です |
| ロープウェイは年中動いている | △ 秋に運休 | 例年10月下旬〜11月上旬に3週間ほど点検運休。この時期は代替手段が細るので日程確認を |
| 函館山の夜景は「世界三大夜景」 | △ 出典の定まらない言い回し | 公的な認定機関がある称号ではなく、組み合わせも出典によって変わります。景色の価値とは別の話として受け取るのが無難 |
| 朝市は昼から行けばいい | ✕ 間に合わない | 14時過ぎには閉まります。しかも開店は5:00(1〜4月は6:00)。朝いちに行く前提の場所です |
| 大沼は湖畔から眺める場所 | △ もったいない | 大小126の島が橋で結ばれた島巡りの遊歩道が本体。歩くか自転車で回らないと、この公園の面白さは出ません |